賃貸が良いのか?購入が良いのか?それは一概には言えません。物件の売買に携わる身分にもかかわらずこのようなことを言ってしまうあたり、まだまだ未熟なのかもしれませんが、これについて結局最後は自分の価値観になると思います。以下に何点か判断材料をお話ししていきたいと思います。
1 生涯支払う家賃について
30歳から平均余命まで50年住むと、家賃総額は約5000万円ほどになります。定年から20年の間だけでも2000万円の家賃負担です。
平均的な老後の生活を送るには、定年までに最低2000万の貯金が必要と言われます。持ち家なら生活費として切り崩していけますが、賃貸なら2000万すべて生涯家賃だけで出ていきます。持ち家の人と同レベルの生活水準をしたいなら、さらに2000万の貯金が必要になります。
「その時は家賃の安い物件に移れば・・・」という考えの方も多くいらっしゃるとは思いますが、家賃2万3万の物件というのはなかなか探しても無いということと、もし見つかったとしても、値段なりのクオリティ、安いものには理由があります。そのような物件に実際に住みたいという人は正直なところ、少ないでしょう。
2 財産として
購入した物件の価値は、その時代にもよりますが、下がってゆくことの方が多いのが現実です。これについては仕方のないことで、主に上物と言われる建物の部分について上がってゆくことはありません。
購入物件を「投資」という考えで捉えると、生涯で何千万と払う賃貸代は完全に「捨て銭」になってしまうと言わざるを得ません。ましてやよほどの事が無い限り土地の価値は残ります。
また、住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険」という保険に加入することがほとんどの場合求められます。この保険は、ローンを組んで支払いをしている人物が不幸にもお亡くなりになったときに、残債分をすべて肩代わりして払ってくれるという性質の保険です。このようなことを考えたとき、家賃を支払って賃貸物件住まうことをについては全く保証がなく、どんな事情があるにせよ家賃を払い続けなくてはならないという事情があります。
3 転勤など持ち家を離れなければならない場合は?
これについてはよくあることです。賃貸の場合、全くその点は問題にはなりません(敷金礼金などの経費は掛かりますので無駄ではあります)が、住宅購入している方には難局と言えるほどの問題でもあります。
しかし、それだからこその物件探し、将来賃貸に出しても借り手のつきやすい利便性ある物件購入ができている方は家賃収入を得ることでそれをそのままローンの支払いに充て、賃貸物件のオーナー側に回る成功ケースもたくさんございます。
以上、3点ほど主な判断材料として例を挙げましたが、このようなアプローチで考え、住宅購入が良いか?賃貸が良いか?お考えになってみてはいかがでしょうか?